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ウイルスは生きている (講談社現代新書) 新書 – 2016/3/16
中屋敷 均
(著)
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■第32回講談社科学出版賞受賞■
■成毛眞氏絶賛■
生命科学というパンドラの匣の中には、
ぎっしりとウイルスが詰まっていた。
果たしてかれらは生命なのか?
人間は幾多の を解明できるのか?
生命というミステリーの幕が開いた!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
私たちのDNAの中には、
ウイルスのような遺伝子配列が多数保存されており、
生命活動で重要な役割を果たしている。
極言すれば、我々の体の中にウイルスがいるから、
我々は哺乳動物の「ヒト」として存在している。
果たしてウイルスとは何者なのか?
生物の進化に大きな役割を果たしたウイルスは「ただの物質」なのか?
それともやはりある種の「生命体」と見なすべきなのか?
一気読み必死のサイエンスミステリー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
新型インフルエンザやエイズなど、人類を脅かす感染症を伝播する存在として、
忌み嫌われるウイルスだが、自然界には宿主に無害なウイルスも多い。
それどころか、宿主のために献身的に尽くすけなげなウイルスたちも多い。
実は、私たちのDNAの中には、ウイルスのような遺伝子配列が多数存在し、
生物進化に重大な貢献をしてきたことが近年の研究でわかってきた。
ウイルスは私たちの中に、生きていたのだ!
■成毛眞氏絶賛■
生命科学というパンドラの匣の中には、
ぎっしりとウイルスが詰まっていた。
果たしてかれらは生命なのか?
人間は幾多の を解明できるのか?
生命というミステリーの幕が開いた!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
私たちのDNAの中には、
ウイルスのような遺伝子配列が多数保存されており、
生命活動で重要な役割を果たしている。
極言すれば、我々の体の中にウイルスがいるから、
我々は哺乳動物の「ヒト」として存在している。
果たしてウイルスとは何者なのか?
生物の進化に大きな役割を果たしたウイルスは「ただの物質」なのか?
それともやはりある種の「生命体」と見なすべきなのか?
一気読み必死のサイエンスミステリー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
新型インフルエンザやエイズなど、人類を脅かす感染症を伝播する存在として、
忌み嫌われるウイルスだが、自然界には宿主に無害なウイルスも多い。
それどころか、宿主のために献身的に尽くすけなげなウイルスたちも多い。
実は、私たちのDNAの中には、ウイルスのような遺伝子配列が多数存在し、
生物進化に重大な貢献をしてきたことが近年の研究でわかってきた。
ウイルスは私たちの中に、生きていたのだ!
- 本の長さ200ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2016/3/16
- 寸法10.6 x 1 x 17.4 cm
- ISBN-104062883597
- ISBN-13978-4062883597
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商品の説明
著者について
中屋敷 均
中屋敷 均(なかやしき・ひとし)/1964(昭和39年)年、福岡県生まれ。1987年京都大学農学部農林生物学科卒業。博士(農学)。現在、神戸大学大学院農学研究科教授(細胞機能構造学)。『生命のからくり』(講談社現代新書)で2014年にデビュー。専門分野は、植物や糸状菌を材料にした染色体外因子(ウイルスやトランスポゾン)の研究。『ウイルスは生きている』(講談社現代新書)で第32回講談社科学出版賞受賞。『科学と非科学』(同)は東京大学をはじめ多くの大学や高校の入試問題(国語)として採用されている。趣味は、将棋、山歩き、テニス等。
中屋敷 均(なかやしき・ひとし)/1964(昭和39年)年、福岡県生まれ。1987年京都大学農学部農林生物学科卒業。博士(農学)。現在、神戸大学大学院農学研究科教授(細胞機能構造学)。『生命のからくり』(講談社現代新書)で2014年にデビュー。専門分野は、植物や糸状菌を材料にした染色体外因子(ウイルスやトランスポゾン)の研究。『ウイルスは生きている』(講談社現代新書)で第32回講談社科学出版賞受賞。『科学と非科学』(同)は東京大学をはじめ多くの大学や高校の入試問題(国語)として採用されている。趣味は、将棋、山歩き、テニス等。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2023年7月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
他の専門家の本とはウイルスに対する捉え方が違います。科学的なことを超えて、この世の存在としてのウイルスの本質を見ていきます。他の本の著者はウイルスは生物か無生物か、結論をはっきりと示してはいないことが多いですが、この本では明確に「生きている」と示しています。ウイルスへのアプローチが専門の枠を超えています。「例え」も身近で、とても興味をもって読め、そしてわかりやすい。ウイルスについて知りたい人には必読です。
2020年3月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ウイルスと生物の「境」は何なのかを知るために「ウイルス」に関連する本を数冊読んだが
特にその「境」を解説する本は一冊もなかった。むしろ「ウイルス」は物質であると言う前
提で著された本が大半であった。
しかしこの本のタイトル自体が「ウイルスは生きている」と銘打っており、私の好奇心に
正に答えてくれている「タイトル」であったため早速購入し読み始めた。
内容はウイルスの種類、構造、遺伝子の特徴、生物との共生及び遺伝子の交換等々概略が
一通り説明されておりウイルスについての一通りの概要が素人にも分かり易く記載されて
いた。
ウイルスが生命体でないとする根拠は、鉱物やタンパク質の様に「結晶化」する事が出来
自己複製機能が無い単純な物質であると言う事実のみであった。
しかしその構造の中には自己複製を可能とする設計図、RNAをしっかり持っており、再生するための材料(タンパク質)を保有しておらず「生物」に寄生せざるを得ないため無生物の範疇に入れられているだけである。
この本の著者はウイルスを「生物」と前提づけ、その証拠を色々な角度から説明している。
そして著者は「生命とウイルスは時に対立し時に助け合い、変化し、合体する様々な生命体
からなる<生命の輪>の一員」であり40億年前に発生した分子装置(情報の保存と変革)を繰り返す「生命」そのものと位置付ける。
著者の言われる事に全く異存はないが40億年前の「情報の保存と変革」をなさせる
タンパク質を作った「モノ」が何なのか、それは何者かの「意志」なのか、単なる自然現象
の「結果」であるのか更なる疑問を抱かせる結論であった。
特にその「境」を解説する本は一冊もなかった。むしろ「ウイルス」は物質であると言う前
提で著された本が大半であった。
しかしこの本のタイトル自体が「ウイルスは生きている」と銘打っており、私の好奇心に
正に答えてくれている「タイトル」であったため早速購入し読み始めた。
内容はウイルスの種類、構造、遺伝子の特徴、生物との共生及び遺伝子の交換等々概略が
一通り説明されておりウイルスについての一通りの概要が素人にも分かり易く記載されて
いた。
ウイルスが生命体でないとする根拠は、鉱物やタンパク質の様に「結晶化」する事が出来
自己複製機能が無い単純な物質であると言う事実のみであった。
しかしその構造の中には自己複製を可能とする設計図、RNAをしっかり持っており、再生するための材料(タンパク質)を保有しておらず「生物」に寄生せざるを得ないため無生物の範疇に入れられているだけである。
この本の著者はウイルスを「生物」と前提づけ、その証拠を色々な角度から説明している。
そして著者は「生命とウイルスは時に対立し時に助け合い、変化し、合体する様々な生命体
からなる<生命の輪>の一員」であり40億年前に発生した分子装置(情報の保存と変革)を繰り返す「生命」そのものと位置付ける。
著者の言われる事に全く異存はないが40億年前の「情報の保存と変革」をなさせる
タンパク質を作った「モノ」が何なのか、それは何者かの「意志」なのか、単なる自然現象
の「結果」であるのか更なる疑問を抱かせる結論であった。
2021年10月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
最新の知見を記述していると思う。この本を読むためには、分子生物学の基礎的な知識は必要と思う。
2021年5月22日に日本でレビュー済み
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ウイルスを狭い視野で観ることなく、生命現象の本質に遡って考察し、ウイルスをそのスコープの中で再定義している良書。更にその延長として人間の個の存在の意味にも気づかせてくれる。
生命(現象)とは自らを維持して『ダーウィン進化』(情報の蓄積保存と変革)をしていくものであり、そういういう意味でウイルスは紛れもなく究極まで簡素化された生命体である。
ウイルスは生きている。それは地球でこの生命現象を営んでいる生命体の主要なメンバーとして。そして人間も生きている。それは生物としての「ヒト」と、個としての「人」の二面性を持ちながら。
非生命体の物質は二段階の相変化(相転移)を行なって最初に生命(ヒト)を生み出し、次に意識(人)を生み出した。前者は遺伝子により継承され、後者は文化により継承される。果たして人の意識は更なる新たなステージに進化するのだろうか?
生命(現象)とは自らを維持して『ダーウィン進化』(情報の蓄積保存と変革)をしていくものであり、そういういう意味でウイルスは紛れもなく究極まで簡素化された生命体である。
ウイルスは生きている。それは地球でこの生命現象を営んでいる生命体の主要なメンバーとして。そして人間も生きている。それは生物としての「ヒト」と、個としての「人」の二面性を持ちながら。
非生命体の物質は二段階の相変化(相転移)を行なって最初に生命(ヒト)を生み出し、次に意識(人)を生み出した。前者は遺伝子により継承され、後者は文化により継承される。果たして人の意識は更なる新たなステージに進化するのだろうか?
2017年10月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
タイトルに衝撃を受けるかどうか、はウィルスとはなんぞや、を
知ってるかどうか、に左右されるんじゃないか。(俺は衝撃を
受けなかった一般人)
でも内容は平易で面白い。「生命のからくり」を先に読んで、
それより前に分子進化学の一般向け書籍も読んでるといいんじゃないかと。
文章が若干情緒的ですが、気に障るほどではない。
知ってるかどうか、に左右されるんじゃないか。(俺は衝撃を
受けなかった一般人)
でも内容は平易で面白い。「生命のからくり」を先に読んで、
それより前に分子進化学の一般向け書籍も読んでるといいんじゃないかと。
文章が若干情緒的ですが、気に障るほどではない。
2016年5月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この書籍を読もうと思った理由は「生命とは何か?」そして「意識とは何か?」その答えとなるヒントが書かれているのでは?そんな期待感があったからです。
そして書籍を読み始めて直ぐに自分の無知を知らされる事になります。一度読んだだけではとても情報が頭に入り切りませんが、しかし「生命体とは何か?」それを考える時の基本的なスタンスを垣間見る事が出来ます。この書籍は生物学の素人でも読めるように書かれていますし、専門家が頭の中を整理するのにも役立つでしょう。
書籍の三章まではウィルスたちの詳細な説明が書かれています。ウィルスが外的環境下に置いて生命としてのふるまいをする様子が良く分かるでしょう。そして書籍の第五章以降、生命の誕生に付いての考察が展開されます。
残念ながら「意識とは何か?」を考えるにあたって、この書籍にはそのヒントは多く含まれていませんが、しかし「生命とは何か?」を正しく捉える事が出来てこそ、初めて「意識とは何か?」を考えるべきである、そんな事を教えられた気分です。
そして書籍を読み始めて直ぐに自分の無知を知らされる事になります。一度読んだだけではとても情報が頭に入り切りませんが、しかし「生命体とは何か?」それを考える時の基本的なスタンスを垣間見る事が出来ます。この書籍は生物学の素人でも読めるように書かれていますし、専門家が頭の中を整理するのにも役立つでしょう。
書籍の三章まではウィルスたちの詳細な説明が書かれています。ウィルスが外的環境下に置いて生命としてのふるまいをする様子が良く分かるでしょう。そして書籍の第五章以降、生命の誕生に付いての考察が展開されます。
残念ながら「意識とは何か?」を考えるにあたって、この書籍にはそのヒントは多く含まれていませんが、しかし「生命とは何か?」を正しく捉える事が出来てこそ、初めて「意識とは何か?」を考えるべきである、そんな事を教えられた気分です。
2016年3月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
人は、二つの生を生きている。
すべての生きものの共通基盤であるDNA情報による生が「ヒト」としての生であり、生命の歴史の中で二次的に発生した生が「人」としての生である。
ウイルスは、前者であり結晶化するが、生きている。
人は、生命という大河の流れに浮かぶ小舟のようなものであり、いずれ消える。
だが、この世に彩りを織りなす実感・手触りという生の輝きがある。
そして、それを支えているものは、物質性・機械的なものである。
ウイルスは、「厄災を招くもの」というイメージが強い。だが、これは適切でなく既に、宿主と一体化しているウイルスが多い。
生命の歴史の中で様々な宿主との遣り取りを続けてきた結果である。宿主あってのウイルスでもある。
著者は、ストーリーテラーでもあり読ませる。
フルティンという人は、72歳の情熱で酷寒のアラスカの地から「スペイン風邪」のウイルスを呼び覚ました。
ベイエリングは、「枠を突き抜けた純度」を持ってウイルスという存在の、この世での在り方を始めて発見した。
バーバラ・マクリントックは、闇の中で手探りし一体化し、原木から仏像を削りだすように「動く遺伝子」を掘り出した。彼女は、ベイエリングと同じく結婚することなく、ノーベル賞を知らされると「あら、まあ!」とつぶやいていつものようにクルミ狩りの散歩に出かけた。
タンパク質は、結晶化する。つまり、只の物質に過ぎない。
しかし、酵素のように生体物質の分解や合成という生命活動の根幹を担っている。
その後、ウイルス(核酸タンパク質)も結晶化する単純な物質であることが明らかとなった。
それは、生命と物質の境界を曖昧にする。それを明確に区別することは出来ない。
生命ゲノムという情報システムは、オープン型アーキテクチャーとなっている。「自己」と「他者」との区別が曖昧なシステムである。
脳という神経系の発生・進化にさえも、ウイルスとの境界が曖昧な「転移因子」由来の関与が明らかとなっている。そしてそれは、只の偶然でもあった。
古細菌という興味深い初期の生命体が深海に生息している。
数百年あるいは数千年に一回しか細胞分裂しないと推定されている。
だが、不思議という程のものでもない。最初の生命体が生まれた時は、食べ物が殆んどなかったのである。
チリで発見されたパンドラウイルスは、一般的ウイルスの1000倍の大きさであり、遺伝子の93%が何の生物とも似ていなかった。どのように生まれてきたのか分かっていない。
生物界は、何でも有りである。そして、その仕組みは人の想像力を絶している。利他的行動としか思えない行動もある。現在の知見では、オカルトとしかいいようのない世界がある。いのちの世界は、不思議に満ち満ちている。
当然、ウイルスも一枚噛んででいる。あらゆる可能性がある。唯、嫌揀択である。
人は、生命という流れの中の小舟という件は、仏教を思い起こす。
禅は、まさしくそいう構造を持っている。
すべての生きものの共通基盤であるDNA情報による生が「ヒト」としての生であり、生命の歴史の中で二次的に発生した生が「人」としての生である。
ウイルスは、前者であり結晶化するが、生きている。
人は、生命という大河の流れに浮かぶ小舟のようなものであり、いずれ消える。
だが、この世に彩りを織りなす実感・手触りという生の輝きがある。
そして、それを支えているものは、物質性・機械的なものである。
ウイルスは、「厄災を招くもの」というイメージが強い。だが、これは適切でなく既に、宿主と一体化しているウイルスが多い。
生命の歴史の中で様々な宿主との遣り取りを続けてきた結果である。宿主あってのウイルスでもある。
著者は、ストーリーテラーでもあり読ませる。
フルティンという人は、72歳の情熱で酷寒のアラスカの地から「スペイン風邪」のウイルスを呼び覚ました。
ベイエリングは、「枠を突き抜けた純度」を持ってウイルスという存在の、この世での在り方を始めて発見した。
バーバラ・マクリントックは、闇の中で手探りし一体化し、原木から仏像を削りだすように「動く遺伝子」を掘り出した。彼女は、ベイエリングと同じく結婚することなく、ノーベル賞を知らされると「あら、まあ!」とつぶやいていつものようにクルミ狩りの散歩に出かけた。
タンパク質は、結晶化する。つまり、只の物質に過ぎない。
しかし、酵素のように生体物質の分解や合成という生命活動の根幹を担っている。
その後、ウイルス(核酸タンパク質)も結晶化する単純な物質であることが明らかとなった。
それは、生命と物質の境界を曖昧にする。それを明確に区別することは出来ない。
生命ゲノムという情報システムは、オープン型アーキテクチャーとなっている。「自己」と「他者」との区別が曖昧なシステムである。
脳という神経系の発生・進化にさえも、ウイルスとの境界が曖昧な「転移因子」由来の関与が明らかとなっている。そしてそれは、只の偶然でもあった。
古細菌という興味深い初期の生命体が深海に生息している。
数百年あるいは数千年に一回しか細胞分裂しないと推定されている。
だが、不思議という程のものでもない。最初の生命体が生まれた時は、食べ物が殆んどなかったのである。
チリで発見されたパンドラウイルスは、一般的ウイルスの1000倍の大きさであり、遺伝子の93%が何の生物とも似ていなかった。どのように生まれてきたのか分かっていない。
生物界は、何でも有りである。そして、その仕組みは人の想像力を絶している。利他的行動としか思えない行動もある。現在の知見では、オカルトとしかいいようのない世界がある。いのちの世界は、不思議に満ち満ちている。
当然、ウイルスも一枚噛んででいる。あらゆる可能性がある。唯、嫌揀択である。
人は、生命という流れの中の小舟という件は、仏教を思い起こす。
禅は、まさしくそいう構造を持っている。
2021年4月10日に日本でレビュー済み
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ほとんどの現場の医療関係者も一般大衆もウィルスは細菌と同じ生物だと思っている、あるいは生物として対処している。しかし学者は生物か無生物かを論ずる。現実と科学とのギャップが面白い。しかしこの本は深い内容をわかりやすくまとめている。